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スポーツ前のストレッチは良くないと言われるのはなぜか?

スポーツ前のストレッチは良くないと言われるのはなぜか?

オンライン&出張トレーナーRAIです。

体と心を整えるオンラインパーソナル、出張トレーニングを行っております。

今回の記事はスポーツをしている方に知って欲しいこと。

近年ウォーミングアップとして、スポーツ前に静的ストレッチをすると、パフォーマンスが落ちる可能性があると言われています。

ですが、そのメカニズムまではあまり浸透していないように思います。

なぜパフォーマンスが落ちるのか、二つの理由を科学的根拠を基にご説明します。

体に起こる反応を理解して、最適なウォーミングアップ方法を選択してみてください★

無理に伸ばすことによる弊害。

そもそもウォーミングアップとは、体を動かしやすくするために行ないますよね。

ストレッチで柔軟性を高めることは、
一見必要なことに思われますが、そのやり方次第で効果が変わってしまうんです。

スポーツ前のウォーミングアップにストレッチが適さないと言われる、ひとつめの理由をご説明します!

まずは再確認!ストレッチの正しい方法!

ストレッチのメカニズムについて、大事な部分をお伝えしたいと思います。

以前の記事にも書かせて頂きましたので、よろしければ下記の記事もご覧ください。

ストレッチは、気持ちが良い範囲で行うのがルールなんです。

少しでも痛みや不快感を伴ってしまうと、
実は、ストレッチで伸ばす前よりも筋肉が硬くなってしまいます!

筋肉には「伸張反射」という防衛反応があり、筋肉が無理に伸ばされてしまうと、切れてしまっては困るので、縮まろうとするんです。

この機能が働いてしまうと、
せっかく柔軟性を出そうと思ってストレッチをしても、逆に筋肉は硬くなり、結果的に関節の動きが悪くなってしまいます。

厳密に言うと、ストレッチが悪いわけではなく、ストレッチのやり方の問題なのですが、これが体感的にもストレッチがパフォーマンスを落とすと言われるひとつめの理由です。

【 解決策その① 】体を温めて、痛いところまで無理に伸ばさない!

ストレッチを効果的に行うために、有効な手段があります。

それは、体を温めること。

スポーツ前であれば、軽いジョギングをして温めてからストレッチをすると良いです。

特に冬場は、服装にも配慮して冷えないようにすると良いですね。

そして、何度も言いますが、痛みを感じるところまで伸ばさないこと!

体が温まっていれば、それだけでも柔軟性が上がるので、無理さえしなければ安全にストレッチができると思います!

【 解決策その② 】スポーツ後のストレッチを欠かさずに!

今、めんどくせ〜って思わなかったですか?笑

スポーツ後のストレッチは、スポーツ界でも省かれがち。
アップはやるのにダウンはやらないチームが、なんと多いことか…。

最近はトレーナーさんの入っているチームも増えてきているので、きちんと実施されているところも多いかと思いますが、ここでストレッチをするかしないかが、運命の分かれ道!

体を動かした後は、「自動性の反射」という筋肉のシステムが働き、筋肉をとても伸ばしやすくなるんです。

柔軟性を取り戻すだけでなく、運動後の疲労を取り除く役割もあります。

そもそも、ウォーミングアップが必要なのって、体を動かしやすくするためですよね。

見方を変えれば、アップなしでは動かしづらいということになります。

その原因の一つが、体を動かしたことにより発生した老廃物が蓄積してしまっているから。

すると、次のウォーミングアップの時に筋肉に硬さが残り、その状態でストレッチをするのでトラブルが起こりやすいんです。

だから、運動後のストレッチも大事な解決策!

これは極論ですが、ぶっちゃけますと、コンディションが整えば、ストレッチどころか、アップしなくても大丈夫になります。
(一応やった方がいいですけどね!笑)

いつ試合が始まっても、いきなりMAXが出せる体の状態が作れるんです!

これについては、私の体験も踏まえ、またの機会にブログ書きますね♡

柔軟性が出てしまうことによる弊害。

これは、私自身がラクロス選手として実体験したことも踏まえて、二つめの理由をお話しさせていただきます。

柔軟性が出ることって、関節の動きが良くなるし、メリットしかないように思われがちなんですが、

スポーツパフォーマンスという点で考えると、少々デメリットもあるんです。

あれ?一歩が遅い。体に力が入らない…。

これは、私の体験です。

ウォーミングアップで、
ふくらはぎのストレッチを入念にすると、動きが悪くなるんです。

プールの中みたいに思うように早く走れなくなるというか、逃げてる夢とかでそんな感覚になることないですか?笑
あんな感じです。

力が入らないというか、一歩がすぐに出ないというか。

ふくらはぎの柔軟性は、疲労回復とも関連が深いので、その目的もあってストレッチをしてたんです。

直前だからダメなのかな?と思って前日にストレッチしても、私の場合はふわふわしてしまいダメでした。

最初は、なんでこんなことになるのか全然わからなかったのですが、体のメカニズムを知ることでその理由がわかりました!

筋肉の弾性を利用したバネが効かなくなる!

ひとつめの理由をお話しした時に、「伸張反射」という言葉が出てきたのを覚えていますか?

ストレッチをする時に、筋肉を無理に伸ばすと切れてしまわないように縮まるシステムですね。

これ、実はプレー中はパフォーマンスを発揮するための超優秀なシステムなんです。

ふくらはぎを例にお話ししますね。
走る時に地面についた足のふくらはぎって、筋肉が伸ばされるんです。
その時に、伸張反射が起こることで、筋肉が自然と縮まり地面を蹴ることができます。

ジャンプの方がわかりやすいのでもうひとつ!
しゃがんだ瞬間ビーンと伸びた筋肉が、
次の瞬間バネのように縮まることで高く跳ね上がることができます。

筋肉ってゴムみたいな感じなんです。
ある程度の弾力と張力を保つことで、ゴムのように伸び縮みしパワーを発揮してくれるんですね。

逆にストレッチをしすぎると、筋肉が伸ばされてるよー!と教えてくれて伸張反射を起こすためのスイッチになる、「筋紡錘」というセンサーが鈍くなってしまい、縮まる反応が出づらくなります。

すると、バネのような動きが出なくなってしまうんです。

これは、ふくらはぎ以外にも、お尻や腿、腕などでも起こっているので、思い当たる節がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

【 解決策 】センサーを鈍らせない、ストレッチ以外の方法!

ひとつは、ストレッチをしすぎないこと。

筋肉が硬くて、怪我のリスクになる場合を除き、静的ストレッチをしないという選択です。

併せて、他の手段を取り入れること。

例えば、体を温めてから、ブラジル体操のような動的ストレッチを行うのもひとつですね。

PNFという、力を入れることで柔軟性を高める方法もおすすめです。

そしてもうひとつが、リセットコンディショニングという方法。

筋肉のメカニズムを利用して、伸ばさずとも柔軟性を高め、筋肉の血流を良くしつつもセンサーは鈍らせないための方法。

私が経験した中で、これが一番効果的でした♡
詳しくは、パーソナルセッション、グループセッションで実践しながらご説明しています!

ウォーミングアップでストレッチをする?しない?選択の一例。

実際、私がラクロスという競技をしていた時、ウォーミングアップでの静的ストレッチはほぼしていませんでした。

したとしても1種目3秒くらいで、伸ばすためというよりは柔軟性が足りているか確認をする目的でした。

とはいえ、ストレッチをしても良いのでは?と思う場合もあるのでお伝えします。

それは、関節の動きを妨げてしまったり、怪我のリスクになるような硬さがある場合。

パフォーマンスの高さも大事ですが、怪我をしてしまっては元も子もないので、怪我のリスクになるならば正しくストレッチをした方が良いと思います。

ですが、練習や試合で柔軟性を高める必要性がない状態を維持するために、日頃から正しくケアを行うことが最重要であるとも思います♡

当日のウォーミングアップも大事ですが、パフォーマンスを決めるのは、日頃の取り組みの方が大きく影響するんですよね!

というわけで、ウォーミングアップでのストレッチについて、やらない方が良いと言われる理由について、ご理解頂けましたでしょうか?

少しでもご自身のスポーツに参考にしていただけましたら幸いです!